神と仏と日本人と
むかしむかし、日本には 神さま だけがいました。
山や川、太陽や風、いろんなものに神さまがいる(アニミズム)って考えられてたんだ。
でも、それだけじゃ終わらない!
神さまの世界に中国から仏さまがやってきて、日本の歴史は大きく変わっていくよ!
神さまのはじまり!
日本の神さまの歴史は 『古事記(こじき)』 という本に書かれてるんだ。
最初は、何もないカオス(ぐちゃぐちゃ)な世界 だった。
そこに現れたのが…
天之御中主神(あめのみなかぬし)!
でも、この神さまはすぐに消えちゃう
続いていろんな神さまが生まれて、最後に出てきたのが…
伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)!
この2人が 日本の島を作った んだ!すごいね!
ところが…
伊邪那美は火の神を産んだときに死んじゃって、黄泉の国へ…
伊邪那岐は黄泉の国に行って助けようとするけど、
変わり果てた伊邪那美を見て、「ギャー!」 と大パニック
あわてて帰ってきた伊邪那岐が、体を洗うと…
天照大神(あまてらす) → 太陽の神
月読命(つくよみ) → 月の神
須佐之男命(すさのお) → 海と嵐の神
この 3人の神さま が生まれた!
天皇と神さまのつながり
天照大神は 「この国を治めるのは、うちの子孫しかいない!」 と思い、
孫の 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと) を地上に送りこんだ!
これを 「天孫降臨(てんそんこうりん)」 って言うよ!
ににぎのみことの子孫が、
のちに 初代天皇・神武天皇(じんむてんのう) になったんだ!
だから、「天皇は天照大神の子孫」 って言われてるんだね!
仏さま、やってくる!(仏教伝来)
それからずーっと後、6世紀ごろ。
遠い国 インド→中国→朝鮮半島 を旅して、ついに 仏教が日本に上陸!
「お釈迦さまの教えをもとにした教えです!仏さまを信じませんか?」
ところがここで大問題!
「仏さまを信じる?」「いや、日本には神さまがいる!」
豪族たちが 大げんか!
結果…
仏さま、仲間入り!
神さまと仏さま、なかよし時代(神仏習合)
日本人は 「どっちも大事!」 と思ったんだね!
だから、 神社の中にお寺があったり、
お寺に神さまをまつったり するようになった!
「日本の神さまって、実は仏さまの仮の姿かも?」
という考えまで生まれて、ますます仲良しに!
神さまと仏さまの大ゲンカ(神仏分離・廃仏毀釈)
でも、明治時代(150年くらい前)、
政府が 「神さまと仏さまは別々にしろ!」 って決めた
天皇の権威を高め、日本の近代化を急ぐために「仏」を分けようとしたんだ。
これが 「神仏分離(しんぶつぶんり)」。
すると、 「仏教なんていらない!」 という運動がはじまって、
お寺が壊されたり、仏像が捨てられたり…
これを 「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」 って言うよ。
いまの日本は?
でもね、結局 神さまも仏さまも、ずーっと大事にされてる!
お正月は神社におまいりする(神道)
お葬式はお寺でする(仏教)
日本人は、
「どっちも大切!」 って思ってるんだね!
神と仏と日本人は、これからもいっしょ!
日本人には、相手を尊敬しつつ、少しづつ自分のものにしながら、さらに良いものを生み出していく、そんな気質があるんだ。
歴史の勉強は日本人としての共通の感性を紐解いていく過程ともいえるんだ。
同じような気質の国もたくさんある。それも学んでいきたいね。